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お知らせ

2026.09.23

木は、隠さない。 見えないところにも、技がある。宮大工の家づくり.

木は、隠さない。
見えないところにも、技がある。

神社仏閣を何百年も支えてきた宮大工の仕事には、
木への深い敬意があります。
継ぎ手の刻み方、
梁の納まり、
乾燥による収縮の読み方。

目に触れない部分にも、
職人の判断が宿っています。
その知恵を、
現代の住まいへ。

01 — 木の声を聞く

「この木は、どこに立ちたいか」

宮大工は一本の柱を選ぶとき、木目の向き、
年輪の詰まり方、重さの感触を確かめます。
木には「顔」があります。
美しい面をどこへ向けるか、
どの位置に立てるか 機械では決められない判断を、
長年の経験が支えています。

壁に隠れてしまう柱であっても、
手を抜くことはありません。

「見えないところが、家の正直さだ」
これが、棟梁から弟子へと受け継がれてきた言葉です。

木を選ぶのは、材木屋の仕事じゃない。
大工の仕事だ。
この木がどこに使われるか、
どんな力を受けるか、
そこまで考えて初めて、
刻みに入れる。

- 棟梁の言葉より -

02 — 継ぎ手と仕口

金物に頼らず、木同士で組む

梁と柱の接合部を、私たちは「継ぎ手・仕口」と呼びます。
鎌継ぎ、追掛大栓継ぎ、渡り顎それぞれ、かかる力の方向と大きさに合わせて使い分けます。

金物で締め付けるのではなく、
木の形そのものが力を受け止める。
地震の揺れも、
長年の重みも、
しなやかに受け流す。
宮大工が受け継いできたこの納まりが、
現代住宅の構造にも生きています。

03 — 温熱と湿度の読み方

木は生きている。季節ごとに、呼吸する

木材は湿気を吸い、乾燥すると縮みます。
この動きを「木が動く」と表現します。
宮大工はその動きを計算に入れ、
少しきつめに刻み、
木が落ち着くのを待ちます。

真壁(しんかべ)は、夏の湿気を吸い込み、冬に放出する。
この自然な呼吸が、四季を通じて快適な室内環境をつくります。
機械換気に頼るより先に、素材の力を最大限に使う
それが私たちの考える温熱設計です。

04 — 三つの目で見る家づくり

構造・温熱・意匠を、一つの設計として考える

よく見かけるのは、
構造担当・断熱担当・デザイン担当がバラバラに動く家づくりです。
でも、本来はすべてがつながっています。

▼構造
木組みの精度が、数百年先まで家を支える土台になる

▼温熱
素材の呼吸と断熱を組み合わせ、自然な快適さを設計する

▼意匠
木の顔を活かした真壁が、空間そのものを美しくする

▼安心
見える柱が劣化を知らせる。長く住み続けるための正直な家

100年後の誰かが、この柱に触れる

棟梁は竣工のたびに思うと言います。
「この木は、あと何年ここに立つだろうか」と。

私たちの仕事は、今日建てることではなく、
この先ずっと住み続けられる家を残すことです。
宮大工の知恵と、現代の技術で。

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